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世にも不思議な不動産ファイル 怪しい音
 
パチッ!!

電気が点いた。

「何!? あの音!? ゴキブリ!!」 妻は

耳を澄ませ、目を閉じた。ガサッガサッ!! 

「おまえ!! 新聞紙を!!」 夫は新聞紙を

握った。妻がカーテンを揺すると、ゴキブリが落ちた。

逃げるゴキブリ。なかなか捕まえきれない夫。

妻が夫の枕を掴むと、・・・・・・・

「叩いて殺しては、駄目だー!!」 夫は叫んだ、

が遅かった。ゴキブリは枕の下でペッタンコ。

「新聞紙で包んで殺さないと・・・・」

「殺すのに何の違いがあるの!?」 と言って笑った。

ゴキブリのちぎれた足は落下していた。大きく開いた

妻の口に向かって。ポトリ!!
 


 







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【2008/01/27 09:56 】 | 小説 | コメント(3) | トラックバック(0)
世にも不思議な不動産ファイル
男は駐車場の警備。

 「おやじ!! ここ止めてもいいのかー!!」

 「は、は、はい・・・」

 「しっかりしろよ!! おやじ!! チャック

開いているぜ!!」 慌てて閉めた。客は笑って

いた。トイレで用をたしていると、新聞紙の包み

が目の前に、あけて見ると、ゴキブリの死骸。

 「百万円が包まれているんじゃないかと期待し

ていたのに、残念」 と捨てようとして、ふと気付

いた。ゴキブリの下に千円札が見えるじゃないか。

神からのプレゼントとしてポケットにしまいこんだ。





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【2007/06/18 19:58 】 | 小説 | コメント(3) | トラックバック(0)
ラーメンと黒い影
 「どこに違いがあるのよ!? どう殺そうと、一緒だと思うがね」

 閉まったドアを見ていて呟いた。

 女は椅子に座ると、食べかけのラーメンを、いっきにたいらげた。

 男は一つ、一つ、ラーメンを口に運んでいた。

 「いつまで食べているのよ、チンタラチンタラ、あんたの食べ方は

  イライラするわ!!」

  男はニッコリ笑うと、「不動産屋さん、何の用事でした?」と

 言った。

 「ゴキブリを殺す時は、包んで殺して下さいとさ・・・・」

 「叩いちゃ、ダメなんだ」 スルット、ラーメンが口の中に消えた。

 「そお言うことだね、・・・いつまでも食べていると、ゴキブリが

  来るじゃないのよ!!」

 ゴキブリは来ていた。テーブルの裏の隅に、触覚を揺らしながら、

 タイミングをうかがっていた。


 「
  
【2007/04/16 18:41 】 | 小説 | コメント(3) | トラックバック(0)
大家さんからのお願い
 不動産屋が尋ねたとき、夫婦はラーメンを食べていた。

 「あら・・、何でしょう・・・」 ラーメンの息がかかった。

 「お知らせしたい事がありまして・・・、大家さんからの

  お願いでして、・・・ゴキブリ・・出ました・・・?」

 「ゴキブリ・・イヤ・・」 年老いたブルドックのような

  顔が、歯にかかったラーメンを吸い取り、言った。

 「もしもですね、殺す場合ですね、叩き殺すのでなく、包んで

  殺して欲しいとの事で、・・・ハイ・・」 汗を拭いた。

 女は、オヤジの金の時計を見た。

 男は、女のでかい尻を見た。

 ゴキブリは、台所からラーメンを見ていた。
 
 
  



  

  

 
【2007/04/15 11:56 】 | 小説 | コメント(2) | トラックバック(0)
引越し
 引越し屋さんは、ドアを静かに閉めた。ダンボール箱の山を見て、

 女はいやな顔をした。

 「何から開けようかな?」男は箱に近づいた。

 「開けるんじゃない!!」怒鳴った。

 男はビックとして後ろにちょっとよろけた。

 「おまえが触ると、ゴチャゴチャになって分からなく

  なるから、近づくんじゃない!!」

 「はい」弱く息を吐いた。

 女は大きな欠伸をすると、エプロンを丸めて枕代わりにして

 眠った。男はヒモを静かに解き、あつでの本を一冊取り出し

 枕にして眠った。台所から出て来たゴキブリは、部屋の中を

 グルグル探検し、新しい住人の顔をしばらく眺めて、台所の

 隅に消えた。

【2007/04/14 22:27 】 | 小説 | コメント(2) | トラックバック(0)
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