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男は流しで、おわんを洗い終えると、布きんを持って、

テーブルに戻った。「うっ~・・・・・ん!?」

ラーメンがテーブルの上に落ちていたような気がした

のだが、と男は一瞬思ったが、ちょと間があり、テー

ブルを拭いた。 

ゴキブリはテーブルの裏にいた。ラーメンが消化するま

で、ピーンと触覚と足を伸ばして、しばらくここで休む

ことにした。


「行って来ます!!」 ドアにカギをかけると、男は3

時から夜の11時までの警備の仕事に出かけた。女はテ

レビを見ていた。頭が枕にめり込んでいた。最後のスナ

ック菓子は袋から直接、口に転がり落ちて行った。


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【2007/04/23 18:46 】 | 未分類 | コメント(2) | トラックバック(0)
ラーメンと黒い影
 「どこに違いがあるのよ!? どう殺そうと、一緒だと思うがね」

 閉まったドアを見ていて呟いた。

 女は椅子に座ると、食べかけのラーメンを、いっきにたいらげた。

 男は一つ、一つ、ラーメンを口に運んでいた。

 「いつまで食べているのよ、チンタラチンタラ、あんたの食べ方は

  イライラするわ!!」

  男はニッコリ笑うと、「不動産屋さん、何の用事でした?」と

 言った。

 「ゴキブリを殺す時は、包んで殺して下さいとさ・・・・」

 「叩いちゃ、ダメなんだ」 スルット、ラーメンが口の中に消えた。

 「そお言うことだね、・・・いつまでも食べていると、ゴキブリが

  来るじゃないのよ!!」

 ゴキブリは来ていた。テーブルの裏の隅に、触覚を揺らしながら、

 タイミングをうかがっていた。


 「
  
【2007/04/16 18:41 】 | 小説 | コメント(3) | トラックバック(0)
大家さんからのお願い
 不動産屋が尋ねたとき、夫婦はラーメンを食べていた。

 「あら・・、何でしょう・・・」 ラーメンの息がかかった。

 「お知らせしたい事がありまして・・・、大家さんからの

  お願いでして、・・・ゴキブリ・・出ました・・・?」

 「ゴキブリ・・イヤ・・」 年老いたブルドックのような

  顔が、歯にかかったラーメンを吸い取り、言った。

 「もしもですね、殺す場合ですね、叩き殺すのでなく、包んで

  殺して欲しいとの事で、・・・ハイ・・」 汗を拭いた。

 女は、オヤジの金の時計を見た。

 男は、女のでかい尻を見た。

 ゴキブリは、台所からラーメンを見ていた。
 
 
  



  

  

 
【2007/04/15 11:56 】 | 小説 | コメント(2) | トラックバック(0)
引越し
 引越し屋さんは、ドアを静かに閉めた。ダンボール箱の山を見て、

 女はいやな顔をした。

 「何から開けようかな?」男は箱に近づいた。

 「開けるんじゃない!!」怒鳴った。

 男はビックとして後ろにちょっとよろけた。

 「おまえが触ると、ゴチャゴチャになって分からなく

  なるから、近づくんじゃない!!」

 「はい」弱く息を吐いた。

 女は大きな欠伸をすると、エプロンを丸めて枕代わりにして

 眠った。男はヒモを静かに解き、あつでの本を一冊取り出し

 枕にして眠った。台所から出て来たゴキブリは、部屋の中を

 グルグル探検し、新しい住人の顔をしばらく眺めて、台所の

 隅に消えた。

【2007/04/14 22:27 】 | 小説 | コメント(2) | トラックバック(0)
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